―事業ポートフォリオ変革とガバナンスの実効性を問う―
中期経営計画2026の最終年度を迎え、事業ポートフォリオ変革やガバナンス改革が新たな段階へと進んでいます。こうした変革が一過性に終わることなく、持続的な企業価値向上へと結び付くのか。社外取締役のお二人に、これまでの改革の評価と今後の課題、そして次期中期経営計画を見据えた取締役会の役割について議論していただきました。
2024年6月より当社社外取締役。長年にわたり金融・資本市場分析やコーポレートガバナンスに携わるとともに、大学教授や上場会社の社外役員を歴任。市場分析や企業金融に関する豊富な知見を活かし、資本市場の視点から企業価値向上とガバナンス強化に向けた経営の監督を行っている。
2024年6月より当社社外取締役。長年にわたり企業投資、M&A、PMI(買収後の統合プロセス)、企業価値向上に携わる等、投資ファンド業界で豊富な経験を有する。投資・資本政策や事業ポートフォリオ戦略に関する専門的な知見を活かし、当社の企業価値向上に向けた経営の監督を行っている。
大槻取締役(左)/朝倉取締役(右)
朝倉 私が取締役に就任してからの2年間、執行側経営陣は、事業ポートフォリオの在り方や事業ごとの評価体制について非常に緻密な議論を重ねてきたと感じています。アンバトビーニッケルプロジェクトの売却方針決定や、SCSK・Sumisho Air Leaseへの大型投資等、最近公表された取り組みはいずれも、事業ポートフォリオ変革を着実に実行してきた成果といえるでしょう。一方で、重要なのは、この流れを止めないことです。執行側には、現状に安住せず次の手を打とうという強い意志があります。「No.1事業群」や「強みを核とした成長」という方針を、組織の隅々まで浸透させ、変革を持続的な成長へ結び付けていくことが、重要だと考えています。
大槻 大規模なM&Aや資産入替に加えて、この2年では、機関設計の変更による変化も大きな意味を持っています。執行への権限委譲が進み、取締役会での議題も絞り込まれ、議論を深める時間を十分確保できるようになる等、機関設計の変更を実質化していると感じます。持続的な成長につなげていく上で不可欠な、執行側の熱意やコミットメントもさらに高まっていると感じます。
朝倉 社長はこの2年間、一貫して「No.1事業群」や「強みを核とした成長」という方向性を発信し続けてきました。従業員にも「SHINGO CAFÉ」等を通じて直接伝えており、これが組織の一体感や推進力につながっていると感じています。また、機関設計の変更によって執行と監督の役割分担がより明確になり、経営会議ではグループを超えて当事者意識を持った活発な議論が行われていることも確認しています。今後は、この変化を一過性のものに終わらせることなく、自律的に意思決定し、挑戦できる組織文化として定着させていくことが重要だと考えています。
大槻 私も、社長の成長への並々ならぬ意欲は、社内に着実に浸透してきていると感じています。取締役会では、それぞれの事業が4象限で示すポートフォリオ戦略のどこに位置付けられ、その目標に対してどのような進捗にあるのかを継続的にモニタリングしています。一方で、今後さらに重要になるのは、全ての事業において、それぞれの現場が自ら考え、自律的かつアジャイルに事業を進められる組織へと進化できるかという点です。そうした組織の自律性をいかに育んでいくかが、次の成長ステージに向けた重要な課題だと考えています。
朝倉 事業ポートフォリオを変革する上で、最も大きな力になるのは、「何を資産入替の対象とするか」です。事業の買収も容易ではありませんが、適切なタイミングで売却することは、それ