当社は、2018年にDXセンターを設立して以来、デジタルを経営の重要な柱と位置付け、全社を挙げて事業変革に取り組んできました。また、AIが飛躍的に進化している環境下、現在の中期経営計画2026で掲げる「デジタルで磨き、デジタルで稼ぐ」を加速すべく、2025年10月にデジタル・AI戦略(DAIS)を策定しました。
DAISで当社が目指していることは、「あらゆるビジネスの現場でデジタル・AIを駆使して、新たな価値創造モデルを構築し、社会や産業の変革をリード」することです。このDAISを牽引する体制として、2026年4月には、デジタル・AIグループを新設し、営業とコーポレート機能(CDO・CIO)が一体となることで、DAISの実現と競争優位性の強化を目指しています。
当社グループの強みの一つは、デジタル・AIによる社会・産業変革を実現する強固な事業基盤を有することです。2025年度に完全子会社化したSCSKは高度なソフトウェア開発の技術力を背景に、システムインテグレーターとして長年にわたり強みを磨いてきたことに加え、2024年にはネットワンシステムズをグループ化し、ネットワークからアプリケーションまでフルスタックで提供可能な体制を構築しています。また、Insight Edge(DX技術)やSCデジタル(データマーケティング)といった当社グループのデジタルソリューション事業会社が連携し、新たな価値創造モデルの構築を支援します。
これらのデジタルソリューションに、当社が総合商社として培ってきた現場力、約900社の事業会社ネットワーク、10万社に及ぶ顧客基盤、多様な産業知見・人材を掛け合わせることで、あらゆる事業現場にデジタル・AIを実装し、新たなビジネスモデルを創出していきます。こうした取り組みの積み重ねが他社にはない独自の競争優位性となり、当社グループの成長を加速させています。
変革を支える人材基盤の強化策として、2026年4月に当社独自のデジタルスキル認定制度「Dグレード」を導入しました。本制度の特徴は、資格よりも事業現場における実装経験を認定要件としても重視する点で、スキルを持つ人材の可視化と機動的な人材配置につなげています。さらに、CIO機能のもと、全社のデジタル・AI活用を支えるIT基盤整備と、AI時代に対応したIT統制・サイバーセキュリティ対策を推進しています。
SCSKは「AI起点の自己変革と事業拡大」「オファリングモデルへの変革」「競争優位と強みの徹底活用」に重点的に取り組んでいます。特に、顧客の経営・業務課題を自ら特定し、解決策を提案するオファリングモデルについては、SCSKがシステムインテグレーターとして培ってきた製造業に関する知見を活かし、2026年7月にコンサルティング会社(SCSK Consulting株式会社)を設立する等、新たなビジネス機会の創出を進めています。今後は、当社のグローバルリーチも活かしながら、こうした取り組みを加速させていきます。DAISの実現に向けては、SCSKが持つこうしたデジタルソリューション機能が重要な役割を担います。
また、当社グループの事業現場及びコーポレート領域においても、デジタル・AIの実装を進めています。例えば鋼管ビジネスでは、トレード・オペレーションの高度化により数十億円規模の経済価値創出を見込んでおり、コーポレート領域では業務プロセスの再設計とAI活用による高度化・効率化を推進しています。
さらに、SCSKとの連携による共創案件は70件超にのぼり、SCSKのERP「PROACTIVE」の当社グループへの導入と高度化を通じて、当社グループの実践知を組み込んだソリューションを顧客へ展開する取り組みも進めています。
当社は今後も、SCSKをはじめとする社内外のパートナーと一体となり、社会と産業の変革をリードするとともに、持続的な企業価値向上を実現していきます。