私たちは、「住友の事業精神」及び住友商事グループの経営理念を基盤に、競争優位を発揮しマテリアリティで掲げる社会課題の解決を通じて持続的成長を実現していくとの考えを揺るがず貫いています。持続可能な社会への貢献と当社グループの成長は一体不可分であり、引き続き中長期視点に立った価値創造に取り組んでまいります。
中期経営計画2026も最終年度に入り「強みを核とした成長」と「成長の原動力の強化」による成果が、事業ポートフォリオ変革へつながってきていると実感しています。事業ポートフォリオ変革では4つの事業戦略分類を活用し、成長事業への経営資源の重点配分と資産入替による新陳代謝の加速を進めています。その結果、デジタル、リース、不動産、エネルギーソリューション等の成長分野を中心に着実に成長しています。一方で、各事業環境やパフォーマンスを見極め柔軟に戦略分類の変更を行い、さらに高みを目指すことで事業ポートフォリオ全体の収益力向上を図っています。また、世界中の拠点からのインテリジェンスを活用しながら、多面的にリスクと機会を分析し、経営会議や取締役会を通じて事業ポートフォリオのさらなる変革に向けた議論を進めています。
こうした事業ポートフォリオ変革を支えるため、事業を一番よく知る営業現場が関係者を巻き込み自律的に高度な意思決定を行う仕組みが重要です。SBU制の導入により戦略が明確化され戦略遂行スピードは速まりました。また、SBUを複数束ねるグループにおいても、自律的に戦略見直しに伴うSBUの統廃合等、アジャイルに組織体制を見直す動きも始まっています。経営の意思決定機関である経営会議では、構成メンバーや決議方法の見直しにより議論が活性化しています。全社最適の視点から経営資源配分や事業ポートフォリオ変革、投資・撤退案件の議論に注力し、適時適切な意思決定を図ってきました。過去からの議論や取り組みに加えこうした組織の変化が、近年の大型投資や資産入替の着実な実行につながっています。また現中計で組成された都市総合開発グループやエネルギートランスフォーメーショングループでは、従来と異なる組み合わせのSBUが同じグループに属することで多様な経験値や知見が融合し、案件の発掘・組成能力が向上しており、ビジネス拡大への手応えを感じています。
サプライチェーン全体を見渡した上で気候変動・人権の尊重・自然資本の保護といったテーマに取り組むことは、単なるリスク対応にとどまらず、総合商社の新たな事業機会につながるものだと確信しています。そのため当社は、サステナビリティの取り組みを営業現場に浸透させ、各組織がサステナビリティに係るリスクと機会を把握し、適切に対応していく体制を目指しています。第一弾として、2025年度には、気候変動をテーマに各営業組織でリスクと機会を捉えて戦略を構築し、アクションプランの立案・モニタリングまで行うプロセスを導入しました。実行力を持ってPDCAを回すことで、こうした取り組みを継続的に深化させてまいります。各営業組織が掲げる成長戦略においては、住友の事業精神に根差した社会課題解決に資する、事業を通じた成長を、という考えが根底にあり、これを事業戦略や投資判断に反映していくことが重要です。こうした取り組みを通じて、事業ポートフォリオ変革を進めるとともに、中長期的な企業価値向上につなげていきます。住友の歴史を背景に積み上げてきた信頼というアセットを活かしながら、ステークホルダーの皆様との真摯な対話を継続し、その声を経営に活かすよう努めてまいります。