P.61 投資リスク管理
61 02. 変革を加速する基盤
投資リスク管理
投資実行後は、PMI*1の初期フェーズとして「100日プラン」を策定・実行し、投資先の事業に即したKPIの設定を通じた経営の可視化、事業価値最大化のための中期計画策定、ならびに、ガバナンス体制の構築・整備を行うとともに、GMP(グループ・マネジメント・ポリシー)*2に基づく投資先支援を行っています(図❻参照)。
また、投資先のモニタリング制度を通じて、投資先の成長性・収益性にフォーカスした事業投資先レビューを実施。営業グループにて定期的に全投資先の保有意義をレビューし、大型案件については経営会議で個社の保有方針を議論しています。加えて、一定規模以上の新規投資案件については、投資実行時の計画達成状況を踏まえ、早期の課題把握や必要な打ち手を講じることにしています(図❼参照)。撤退基準(図❽参照)に基づく撤退先の選定とともに、事業ポートフォリオの変革、新陳代謝の加速に取り組んでいます。
さらに、過去の投資案件や失敗事例を参考にした社内研修の実施、プレイブックの作成を通じて、投資の知見・ノウハウ向上を支援するとともに、営業グループとリスクマネジメント関連部署の間で人材交流を行い、投資・事業管理の高度化に向けた人材育成にも取り組んでいます(解説❾参照)。
Phase II. 投資実行〜投資モニタリング図❻:PMI「100日プラン」策定・実行
- ガバナンス体制を含む経営インフラの整備
- 中期経営計画の策定
- 当社による価値向上策の具体化
- 最適なKPIの設定及びモニタリング
- 価値向上に資する最適なマネジメントチームの組成
- 投資先マネジメントの評価・報酬制度の設計投資先の早期安定化と着実な事業価値向上の基盤を構築。大型案件については、社内のコーポレート関連部署を含めてチームを組成した上で対応。
図❼:投資先の成長性・収益性、新規投資案件の進捗状況にフォーカスした事業投資先レビュー
- 全ての連結対象会社を対象として、EBITDA成長率・EVA*3を基準に四象限に分類し、各営業グループにて保有方針を定期的にレビュー。
- 全社業績への影響が大きい大型事業会社については、四象限の分類に加え、時価トレンドも踏まえながら、経営会議にて個社の保有方針を議論。
- 一定規模以上の新規投資案件については、投資実行時の計画との対比を通じて、投資実行後数年間のパフォーマンスや投資テーマの達成状況等をレビューし、経営会議宛に報告。
- Ⅱ 収益成長 EVA 成長加速・効率の改善
- Ⅰ 収益成長 EVA 持続的成長の追求
- 経済的付加価値 X軸:EVA 経済的付加価値
- Ⅲ 収益成長 EVA 新たな戦略 変革/撤退 オプションの模索
- Ⅳ 収益成長 EVA
- 稼ぐ力 成長
- 稼ぐ力 衰退
- RGAC
- ADTIBE:軸Y
図❽:撤退基準
- 撤退基準 直近3年度連結加算累積赤字かつ直近年度EVA赤字 新規案件は投資時計画対比での乖離幅も考慮
- 抵触 撤退移行基準抵触 撤退先 撤退実行プランを策定
- 事業継続先 撤退移行基準を設定した上で、事業改善に向けたロードマップを策定
- 撤退基準に抵触した場合は原則として撤退。事業改善に取り組む場合は、撤退移行基準を事前に設定した上で、事業改善に向けたロードマップを策定し、必要な社内手続きを実施。
- 撤退基準抵触先の対応方針及び撤退ないし事業継続の進捗状況については、半期に一度経営会議宛に報告。
解説❾:投資に関連する研修・社内コンテンツ、人材交流
- 当社グループのBest Practiceや実際の失敗事例をもとに、財務モデリング・デューデリジェンス(DD)・契約実務・PMI・ガバナンス等、実務に直結するテーマの社内研修を実施、また、M&Aプレイブックや売却実務プレイブック等を作成し、投資の実践的な知見・ノウハウ向上を支援。
- 投資・事業管理の高度化を支える人材育成を目的として、営業グループとリスクマネジメント関連部署の間で人材交流も実施。
- *1 PMI(Post Merger Integration):投資実行後のシナジー創出・企業価値向上に向けた統合活動
- *2 GMP(Group Management Policy):住友商事及びグループ各社が、グループ全体の企業価値最大化を目指して尊重すべき原則(「自律」「対話」「連携」の三原則)や枠組みを定めたもの
- *3 EVA(Economic Value Added):事業ごとに設定した資本コストを控除した後の経済的付加価値